この人スーパーバッド童貞ウォーズの主人公の一人だったんすね。

非力なスーパーヒーロー
美少女の糞ビッチなスラング
ウエットスーツを着たオタクとマフィアとの殺し合い
スーパーヒーローがいるコミックの世界と人身売買が蔓延る現実世界
様々な落差の描写がキャラクターの抱える葛藤逡巡とシンクするように描かれます
クライマックスは前作の
「お前らの暴力をみんな黙って見てる、それが許せないんだ！」
とズタボロになって戦うシーンとの対になっているように見えてすごく高まりました。

一見メタヒーローものの下品コメディではあるんですけど、
正義の暴力性とかSNSの波及効果とか十代の葛藤とかジョックスとギークとかタクシードライバーとの類似とかを詰めにツめ
自分が何者なのか迷い葛藤し身を捨てて殺しあう、
一般人がヒーローを目指した末に巻き起こる狂気の陰惨さををえげつない下ネタを配して見事にバランスを保った素晴らしい映画だと思いました。

浅田さんの日記

ヒットガールは成長して可愛子ちゃんになってるのですが、学校の女子に馴染めずスクールカーストAクラスの糞ビッチどもに苛められ本当の自分とは何か逡巡します。
このジョックス共への仕返しは今までに観たことない方法で最高なんすけどね。

レッドミストはある事故がきっかけでマザーファッカーになるんですけど、
彼のコスチュームがその事故を引きずっていて滑稽さと同時に深い憐憫を覚えます。
お坊ちゃんぶりを発揮して金でやりたい放題やるんすけど、
マザーファッカーとマフィアの幹部であるおじとのある残酷なやり取りで
「ありがとう、本当の悪がわかったよ」
と、狂気の世界に踏み出します。
あと、ナイトビッチとのやり取りでマザーファッカーがすごく繊細だと窺えるどうしようもないシーンが最高です。